黒ずんだバナナやふぞろいなシークヮーサーが変身! 訳あり食材をスムージーに プログレス31 沖縄・西原


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店舗で販売するバナナスムージーとシークヮーサーサーターアンダギー

 配送業のプログレス31(沖縄県西原町、金城隆子社長)は、県産バナナやシークヮーサーを使用したドリンクや菓子類、野菜などを販売する店舗「HEARTY HEARTY(ハーティー・ハーティー)」をこのほど、宜野湾市にオープンした。配送業の傍ら農家から買い取った野菜や果物をイオンなどの店舗で販売する同社が、売れ残った商品や売場に出せないB級品を廃棄せず、加工してスムージーやスープなどにして販売している。

 黒ずんだバナナや形がふぞろいなシークヮーサーなど、売り場に陳列されない果物を生かす。金城社長は「配送業務の中で、農家の悩みを聞き、課題に気づくことが増えた。冷蔵車や冷凍車で商品を運べる強みを生かし、農家をサポートできれば」と意欲を見せた。

プログレス31の金城隆子社長(左から2人目)ら=6月29日、宜野湾市のHEARTY HEARTY

 同社は2003年に金城社長が夫と2人で立ち上げたが、創業の翌年に夫が病死。金城社長が男性の多い配送業では珍しい女性経営者として育児と両立しながら経営を続けてきた。

 当初は運転や配送の知識が不十分な状況だったが、3年前から野菜や果物の販売を開始。22年からは宜野湾市に工場を新設し、県内事業者と連携してドレッシングなどの加工品も製造している。

 大型冷凍庫を導入し、業務用の冷凍バナナを県外へ販売する事業にも力を入れている。南城市大里で栽培されている「琉球もちっ娘(もちっこ)バナナ」はスムージーとして店舗でも販売している。

 金城さんは「見た目以上においしい名産品がたくさんある。県内だけでなく県外や海外にもPRしたい」とした上で「配送だけにこだわらず、既存のシステムやノウハウを生かして幅広い業務に挑戦したい」と語った。

(普天間伊織)