琉球王府にも献上したウミヘビの燻製 「久高島のイラブー漁」を映画化 1978年の映像活用、資金募る


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 文化財に関連した映像資料の保存・活用に取り組む文化財映像研究会が、久高島のイラブー(エラブウミヘビ)漁と燻製(くんせい)作りの記録映像を映画化する。イラブー漁は一度途絶えたが2000年代に復活。映画では途絶える前の1978年に記録されたフィルム映像をデジタル化し、新たな撮影と合わせて2024年3月の完成を目指す。新規撮影に必要な費用480万円をクラウドファンディングで募る。8月18日まで。

燻製小屋の中でイラブーの燻製作りをする女性=1978年11月、久高島(文化財映像研究会提供)

 久高島には、琉球王朝時代からイラブーを燻製にして王府に献上してきた歴史がある。イザイホーの祭礼が中断した後の1990年代に途絶えてしまったが、2000年代に復活した。

 同研究会代表の岡田一男監督は、1978年に久高島のイザイホーなどの行事を映像記録に残してきた。イザイホーの映像は2021年にデジタル化して映画化。その後、当時の映像のアーカイブ化を進める中で、記録があったイラブーに着目した。岡田監督は「イザイホーとイラブー漁、燻製作りには密接な関連がある。伝統が一度途絶える前の映像は歴史的に価値が高い」と語る。「沖縄の人にぜひ見てほしい」と呼びかけた。クラウドファンディングの申し込みはサイト「レディーフォー」から。

(田吹遥子)