12日に亡くなった県出身タレントのryuchell(りゅうちぇる)さんは、「自分らしく生きること」を積極的に発信した。多様性や個性を尊重する生き方は多くの人に影響を与えた。1月に琉球新報社が開催した講座では「自分を大切にし、愛して、自分の直感を大事にしたい。正義の道よりも、自分の心が温かくなる道を歩みたい」と語っていた。
幼少期からピンクの服などかわいい物が好きだったという。だが中学では「厳しい校則や先輩後輩の上下関係」に苦痛を感じ、「個性を隠して」生きた。
高校進学や交流サイト(SNS)での発信を機に「自分を貫こう」と決意した。上京後に原宿の有名アパレル店員を経て、タレントとして活躍した。平たんではない芸能活動の中で「諦める、割り切る、逃げる、戦わない。そして、期待しない」生き方を身に付けたという。
沖縄について「ちゃんぷるー文化」と指摘し、「その中で僕は人を見た目だけで判断せず、『どういう背景があり、どのような環境で育ち、何と闘っているのか』を考える癖が付いた。人の痛みが分かるようにもなった」と語っていた。
(伊佐尚記)
【つらさや悩みを抱えている人のために、さまざまな団体や組織が電話などで相談に応じています。ひとりで悩みをかかえず、相談窓口と話をしてみましょう】
◇県内の主な相談窓口は次の通り。
▽県立総合精神保健福祉センター・こころの電話相談 098(888)1450(月・水・木・金の午前9時~11時30分、午後1時~4時30分)
▽沖縄いのちの電話 098(888)4343。午前10時~午後11時
◇厚生労働省が自殺防止のためホームページで紹介している主な相談窓口は次の通り。
▽いのちの電話 (0570)783556(午前10時~午後10時) (0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル (0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▽よりそいホットライン (0120)279338(24時間対応)