ゴーヤー特有の“あれ”を抑えた新品種が登場 沖縄県が開発に10年かけた「沖農G7」


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県が開発した新品種ゴーヤーの「沖農G7」

 沖縄県農林水産部は19日、10年かけて開発したというゴーヤーの新品種「沖農G7」発表した。ゴーヤー特有の苦みが抑えられ、みずみずしい味が特徴。県の開発は今回で6種目で、約6年ぶりの新品種となった。県産ゴーヤーは農家の高齢化などで苗付け量が年々減少しているが、県は食べやすくなった沖農G7の流通拡大に向け、栽培面積や収穫量の増加を目指す。

 新規就農や転作も想定しており、8月から1万2千本の苗を出荷し、今期の収穫時期(今年11月~2024年6月)に約450トンほどの収穫量を見込んでいる。

 沖農G7は「アバシ」という品種の系統を交配親としており、施設栽培に適し、苦みがマイルド。県農業研究センターが実施した検査では、果実身がアバシの1.3倍の24.1センチだった。実が大きいため、10アール当たりの収量も大幅に改善し、アバシの約1.6倍の6693キロだった。

 沖農G7の苗は収穫時期に合わせ、8~3月までJAおきなわを通じて販売する。

 県農業研究センターは引き続き周年生産に向けた露地栽培での適応性試験などを実施するという。同センターで開発を担当した儀間康造さんは「品種の多様化で利用の幅も広がる。沖農G7は苦みがマイルドなので、初めて食べる人やゴーヤーに苦手意識のある人にも食べてほしい」とPRした。
 (福田修平)