「一心不乱、成功するまで諦めない」 ロッキー賞授賞式 小型焼却炉開発の福富さん


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第14回ロッキーチャレンジ賞を受賞した福富健仁さん(右)と賞設立者の仲村巌さん=21日、西原町の琉球大学

 仲村巌チャレンジ基金は21日、志やチャレンジ精神を持ち、沖縄の若者の目標となる活動を行う個人や団体を表彰する、第14回ロッキーチャレンジ賞に選出されたトマス技術研究所(うるま市)の福富健仁さんに、記念盾と副賞の賞金100万円を贈った。同日、西原町の琉球大学で開かれた琉大未来共創フォーラムで授賞式があり、福富さんは実現できるまで挑戦し続けることの大切さを訴えた。

 奄美大島出身の福富さんは琉球大を卒業後、エンジニアとして県内プラントメーカーに就職。2003年にトマス技術研究所を設立し、試行錯誤の末、ゴミ焼却の際に煙が出ない小型焼却炉「チリメーサー」の開発に成功し、国内外でさまざまな賞を受けた。

 チリメーサーの開発秘話や失敗談、資金繰りの苦労などを振り返り、「志があれば乗り越えることができる。実現するまでに一心不乱に打ち込み、成功するまで絶対に諦めないという気持ちを持つことが大事だ」と訴えた。

 ロッキーチャレンジ賞は、那覇市出身の元日産ディーゼル工業社長の仲村巌さんが10年に設立した。授賞式で仲村代表は「福富さんは賞をもらうにふさわしい人物。賞金を自身が考える事業の発展に使ってほしい。それが後輩の道しるべになる」と語った。
 (吉田健一)