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那覇から名護へ、飛んで9800円から 沖縄観光「ヘリコプターバス」  県内企業が9月運航


この記事を書いた人 琉球新報社
ヘリコプターバスに試乗したブルーモビリティの道廣敬典社長(提供)

ヘリコプターを活用した観光事業などを展開する那覇市のBlue Mobility(ブルーモビリティ、道廣敬典社長)が、9月から沖縄本島でのヘリコプターバス事業を開始する。レンタカー不足や交通渋滞が問題となる中、新たな交通インフラとして定時運航させ、県民の足や観光の交通手段としての定着を目指す。

運賃は1区間片道9800円から。那覇空港から本島北部まで約30分で移動できる。予約から決済までウェブのみで完結する。那覇空港、恩納村、名護市の3拠点で週末と祝日のみ運航するが、今後は停留所と運航回数を随時増やす予定。

同社は、レンタカーの手続きや交通渋滞で何時間も費やさざるを得ない現状を打破し、沖縄観光の「移動」を改善することを目的に、今年4月に設立された。機体やパイロットなどの運行オペレーションを手掛けるSpace Aviation(京都、保田晃宏社長)との共同プロジェクトとして本事業に着手した。

観光客の満足度向上のほか、北部地域に人を運ぶことで地域経済の発展にも貢献したい考え。災害発生時に陸路が使用できない場合の救援物資運搬や、病院への搬送などの防災システムとしての活用も目指す。

道廣社長は「特別な人や特殊な状況でしか乗れないというイメージを変え、気軽にヘリで移動するという新常識を確立させたい。将来的には国や県と連携し、バスや電車のような半公共機関化を目指す」と述べた。

8月25日までクラウドファンディング限定で先行予約を受け付けている。一般予約は8月1日以降随時受け付ける。運航は9月2日から。ヘリコプターはパイロットを含めた4人乗りで、各回予約が埋まり次第受付終了となる。
(普天間伊織)