岡田直樹沖縄担当相は26日、県内の教育機関や企業、経済団体と「強い沖縄経済」の構築に向けた取り組みについて議論する「強い沖縄経済セミナー2023」を那覇市のパシフィックホテル沖縄で開催した。岡田氏は「強い沖縄経済」の実現には幅広い産業の振興が必要で、中でもリーディング産業である観光産業の再興が「不可欠」と指摘。「観光再興には『高付加価値化』と『人材育成』が今後の鍵となる」と話した。
岡田氏は人材育成に向けて、国立沖縄高専で起業家精神を養う「観光・地域共生デザインコース」が本年度創設されたことなどを紹介した。さらに観光を含め、あらゆる産業の高付加価値化に向けて、世界レベルの研究環境を有する沖縄科学技術大学院大学(OIST)と県内企業の連携を深めることを要望した。
また、岡田氏は宜野湾市の西普天間住宅地区跡地で整備が進む、琉球大学病院と琉球大医学部の移転を中心とした「沖縄健康医療拠点」の工事を24年度末に完了させると説明。「地域医療の向上と国際保健にも貢献し、跡地振興のモデルケースとなることを期待している」と強調した。
沖縄を含む日本全体で人口減社会が到来していることを踏まえ、岡田氏は「人口減少の社会の中で強い沖縄経済を実現していくためには労働生産性の向上と未来を担う人材の確保が重要だ。産学官で持てる力を結集することが必要となる」と語った。
セミナーでは沖縄高専とOIST、琉球大の幹部らが参加し、それぞれの取り組みを報告した。
(梅田正覚)