沖縄のマリンレジャー業者の処分、過去5年で最多 県警、事故防止へ積極的に調査


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 沖縄県公安委員会が2023年上半期(1~6月)に県内のマリンレジャー事業者に出した行政処分や指導、勧告は計21件で、過去5年の年間件数を超えて最多に上ることが26日までに、県警水上安全対策室のまとめで分かった。6月末現在、県内で発生した水難事故は48件(暫定値)と、ハイペースで推移しており、21人が亡くなっている。県水上安全条例に基づく届け出業者は19年は2071業者、23年6月末現在は3723業者となり約1.8倍に増加している。

 県警水上安全対策室によると23年6月現在、シュノーケルやスキューバダイビング、プレジャーボート提供業などを営むマリンレジャー事業者への、同条例に基づく行政処分は1件、勧告が7件、指導は13件。

 竹富町小浜の海岸でSUP(スタンドアップパドルボード)ツアーに参加した20代女性が沖で約14時間漂流した事故では、県公安委員会が4月、ツアーを実施した町内の事業者に30日の事業停止処分を出した。県警はマリンレジャー事業者への積極的な立ち入り調査の実施が行政処分などの増加の一因と見ている。

 県水上安全条例は21年に改正され、安全管理などが不十分な事業者に対する指導や勧告に加え、行政処分が科されることとなった。今年6月には県警地域課水上安全対策係や機動隊水難救助部隊などで構成する「海域レジャー提供業者立入調査強化チーム」を結成し、6月末までに725件の立ち入り調査を実施した。

 水難事故の約7割が自然海岸で発生していることなどから、事業者へ安全管理などの徹底を呼び掛け、行楽客らに安全対策の周知を図り、引き続き水難事故防止に取り組むとしている。
 (高辻浩之)