沖縄県は26日までに、老朽化が進む県立精和病院の移転・統合基本構想を策定した。同病院は南風原町内にある南部医療センター・こども医療センターの敷地内に建物を移転する。医療機能を統合し、2027年から南部医療センター内で「こころの医療センター(仮称)」として稼働する。精和病院跡地は駐車場として活用する予定。
病院機能の統合で、がん患者などがうつ病などを患う精神身体合併症にも対応できるほか、救急窓口の一本化で同合併症患者にも精神科医師が早期に対応できるようになる。児童思春期を含む小児精神科医療も強化する予定だ。
精和病院が保有する精神科病床250病床は150床を上限に整備する。23年度中に基本計画を策定予定で、統合後の職員数も検討していく。
精和病院は1961年に財団法人沖縄精和病院として南風原町宮平に開設。73年に県に移管されて県立精和病院となり、86年に現在の南風原町新川に移転した。現在の施設はひび割れなど建物本体の老朽化だけでなく、施設構造も医療ニーズに対応できなくなってきた。2012年から県の土砂災害警戒区域に指定されており、建て替えが困難として移転先を検討していた。
(嘉陽拓也)