揚炭機倒壊、復旧見通したたず 具志川発電所の事故で沖縄電力が会見


この記事を書いた人 琉球新報社
揚炭機の倒壊事故について説明する仲程拓取締役常務執行役員=28日午後、那覇市旭町のカエルぴあ なは(又吉康秀撮影)

 沖縄電力は28日、うるま市の沖縄電力具志川火力発電所で前日発生した、石炭を荷揚げする揚炭(ようたん)機の倒壊事故を受けて記者会見した。同社の仲程拓取締役常務執行役員は「復旧にどれくらいの期間がかかるかまだ見通せない。人的、設備的、管理的なところあらゆる方面から原因を調査したい」と説明した。他の発電所の稼働率を上げて電力を十分まかなえるため、安定供給に支障はないという。

 事故は27日午後2時ごろ発生。桟橋の運搬船に積まれた約6万トンの石炭を荷揚げ中、2基ある揚炭機のうち1基が倒壊し、運転室で操作していた30代作業員が軽傷を負った。揚炭機は発電所が運転を開始した1994年に稼働を始め、これまで定期的な補修点検や部品交換を実施してきたという。

 具志川火力発電所の出力は、県内の火力発電の約2割を占める。当面石炭の受け入れはできず、貯蔵在庫に限りがあるため、今後は他の石炭火力(金武町)や石油火力(うるま市石川、浦添市牧港)、LNG火力(中城村)の発電を増やして対応する。

 台風の接近に備え、接岸したままの運搬船は第11管区海上保安本部とも調整し、沖合に移動するなどの対策を講じる。仲程本部長は「発電部門の統括責任者として大変遺憾に思う。再発防止を徹底していきたい」と述べた。
 (當山幸都)