クリーンエネルギー導入、ハワイに学ぶ 玉城知事が現地で講演 脱炭素社会の実現へ島嶼の連携呼び掛け


この記事を書いた人 琉球新報社
日本ハワイ姉妹サミットのオープニングに登場し手を振る玉城デニー知事=27日(日本時間28日)、ハワイ州ホノルル市(県提供)

 ハワイ州を訪問中の玉城デニー知事は27日(日本時間28日)、ハワイと姉妹・友好都市として提携する日本各地の自治体が集まる「日本ハワイ姉妹サミット」に参加し、クリーンエネルギーについてスピーチした。

 沖縄県の状況について、地理的特性から大規模な水力発電や地熱発電が利用できないことや、台風が多く大型風車を使った風力発電の導入も難しいこと、再生可能エネルギー導入のための用地が少ないなど制約が多いことを説明。島嶼県で電力系統が独立しており、燃料などの輸送コストも高くなるなどハワイと同様の課題もあると指摘し「クリーンエネルギー導入の先進地域であるハワイの取り組みに学ぶところが多い」と話した。

 県はハワイ州、米国エネルギー省、日本の経済産業省の4者で毎年タスクフォース会議を開催し、クリーンエネルギーに関する情報共有や意見交換をしている。ハワイアン電力と沖縄電力は技術交流などを進めている。玉城知事は、県内離島での太陽光発電の導入に対する補助などに取り組んでいるとして「2050年度の脱炭素社会の実現に向け、今後もハワイ州と緊密な連携を続けながらクリーンエネルギーの導入拡大を進めていく」と話した。

 玉城知事はホノルル日本総領事館の青木豊総領事とも面談した。青木氏から「沖縄とハワイの交流は先進的。他自治体が参考とできるように情報提供をお願いしたい」といった発言があったという。玉城知事は「コロナで落ち込んだ観光を回復させることはハワイと沖縄の共通課題。ハワイから学ぶことは多い」などと話した。
 (沖田有吾)