7割がコロナ禍前の水準に コザ信金調査 66%が「価格転嫁」 賃上げ実施は42%


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 【中部】コザ信用金庫(喜友名勇理事長)は29日までに、コロナ禍前後の企業行動の変化に関する調査を実施した。今年6月に取引先約180社にアンケートをしたところ、コロナ禍前と比較した現在の売上高は「増加」が38・9%、「変わらない」が29・2%で、約7割がコロナ禍前の売り上げ水準を回復した。「減少」は31・9%。

 調査は物価高対策の状況も質問した。原材料や仕入れ価格上昇分について、65・9%が「価格転嫁できている」と回答した。「できていない」は34・1%だった。また賃上げを「実施した」が42・9%、「しない」が57・1%だった。

 コザ信金の前屋誠専務理事は「以前は価格転嫁に慎重な企業が多かったが、コロナ禍と物価高で状況が変わった。人手不足もある中で従業員の待遇改善も不可欠となっており、値上げ、賃上げ、人手確保の流れが出てきた」と説明した。

 3~5年後に向けた事業展開では「現状のまま継続」が44・9%。新たな販路・市場の開拓を検討するが27・0%、新商品・サービスの開発を手がけたいとの回答が15・1%だった。

 前屋氏は「3年半に及ぶコロナ禍で経営環境が激変し、新しいことに挑戦する必要があるという考えに変わったのではないか」と分析した。その上で「賃上げを実現するには、事業の見通しが明るい必要がある。経営者の新たな挑戦をしっかりサポートし、希望を持てるようにするのが大切だ」と話した。

(島袋良太)