オスプレイ、不具合疑い認める 防衛相「米側から情報提供受けた」


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閣議後の会見で取材に答える浜田靖一防衛相=1日、防衛省

 【東京】米軍の輸送機オスプレイのクラッチ不具合に関係する事象「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」が疑われる事例が日本国内で発生していた問題を巡り、浜田靖一防衛相は1日の閣議後会見で、米側から情報提供を受けたと明らかにした。

 浜田氏は「米側からは現時点でまだ確定ではないものの、HCEが発生した可能性があるケースが日本国内で過去に1件あり、現在調査中であるとの連絡を受けた」と語った。日時や場所など詳細について問われ、「米国に事実関係を確認しているところなので、時間を頂きたい」と述べた。

 一方、オスプレイの安全性については「米側からは既に一定の使用期間を経過した部品を交換するなどの措置を実施しており、飛行の安全を十分確保していると説明を受けている」と語った。

 日本国内でHCEが疑われる事例があることについて、7月31日時点で防衛省は情報提供を受けておらず、琉球新報の報道を受けて米側に問い合わせていた。

 HCEはギアボックス内のクラッチが滑り、その後、再結合した際の衝撃で機体に不具合が起こる現象。駆動システムに深刻な損傷をもたらす可能性があるという。2022年に米カリフォルニア州南部で墜落事故を引き起こし、5人が亡くなった。

 米軍の報告書によると10年3月から22年8月の間に、計15件のHCE事象が発生している。また、「根本原因は依然不明」としており、事故の懸念は残る。(明真南斗)