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タイワンツチイナゴが繁殖、サトウキビに被害 宮古島市の来間島 市は農薬散布で幼虫駆除を検討


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例年比で多く繁殖し、サトウキビなどの作物に影響を出しているタイワンツチイナゴ=7月26日、宮古島市の来間島

 【宮古島】宮古島市の来間島で、6月ごろからタイワンツチイナゴによるサトウキビへの被害が相次いでいる。駆除のため、市は2024年3月に農薬の散布などを検討する。県や市、来間区によると、タイワンツチイナゴが例年比で多く繁殖し、サトウキビの製糖工場への搬入量が減っている。タイワンツチイナゴが増えるメカニズムは詳しく分かっていないが、小雨で干ばつになると多く繁殖する傾向にあるという。

 宮古島市選出の國仲昌二県議と宮古島市の与党市議団が7月26日、来間区の砂川重信区長の案内で、島内の複数の畑を視察した。

 砂川区長は「有機肥料をしっかりまいて、水まきや雑草除去をしっかりやっていた場所では被害が小さかった。そうしていない畑の被害は大きかった」と語り、畑の地力を強くすることが重要だと説明した。

 被害を受けたサトウキビは、葉が食べられ光合成ができなくなり、成長が止まるという。

タイワンツチイナゴに葉を食べられたサトウキビ畑を視察する國仲昌二県議や与党市議団

 市は地元の農家などと話し合い、3月に農薬を散布し、タイワンツチイナゴの幼虫を駆除する方向で調整している。

 砂川区長は「農薬を使わずにできる対策があるなら、その方法も検討する必要がある。農薬を否定するわけではないが、必要に応じてやるべきだ」と話し、製糖工場から出たサトウキビの絞りかすが混ざった混合肥料を、農家が入手しやすくするなどの対策の必要性を訴えた。

 國仲県議は「市議の皆さんと地元の立場からこの問題への対応を考えたい」とした。

(友寄開)