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「みほそまつり」で経済活性化 うるま市石川のまちおこし <けいざい風水>


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 沖縄県うるま市石川は、戦時中に収容所が設置されたことから県内各地より人々が集まり、「石川市」が誕生した経緯があります。その後、平成の大合併によりうるま市となりましたが、とりわけ旧石川市の歴史を持つ当地区は、商業が盛んであったこともあり、今でも地元住民による「まちおこし」が活発です。

 去ったゴールデンウイークには地域の企業や商店によって構成される「みほそあきない組合」主催で石川みほそまつりが開催されました。協賛金600万円の約9割を石川地区の住民や企業から集めた地域参加型の祭りとなりました。

 主催者からのヒアリングによると、石川地区全体で取り組んだ結果、市内外から延べ1万5千人の来客があり、2日間で露店20店舗の売上高は約1800万円、周辺商店などへの波及効果は6千万円以上と試算されました。規模こそ大きくはありませんが、地域で作り上げた祭りとしてはその意義は大きく、石川をアピールする良い機会となりました。

 コロナの影響により経済が低迷した中から生まれた地元活性化に対する発想は、従来ある沖縄の「良さ」や今後の「可能性」を改めて感じるきっかけとなったのではないでしょうか。国も「地域おこし協力隊」などさまざまな地元回帰の施策を打ち出している中で、今回の取り組みは良い事例となりそうです。

 夏本番を迎え、各地で特色ある祭りも再開しています。地域の祭りに参加し、それぞれの地域の良さを感じながら経済活性化につなげていきたいものです。

(沖縄銀行石川支店支店長 仲西尚史)