大保ダム下流、容量超えで浸水恐れ 大宜味村が避難指示


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台風による大雨で流入量が増え、水かさが増した大保ダム=5日午後4時半ごろ、大宜味村

 【大宜味】台風6号による大雨や高潮で、大保ダム(大宜味村など)の貯水量が容量を上回り浸水するおそれがあるとして、大宜味村は5日午後2時、ダム下流の大保集落(54世帯、97人)に避難指示を出した。北部ダム統合管理事務所によると降雨予想などを踏まえると5日夜遅くに浸水が起こる可能性があり、事前の避難を呼びかけた。

 台風接近を踏まえ同事務所は1日午前から、あらかじめダムの貯水量を下げる「事前放出」を続け、水かさは約1メートル低下した。ただ5日夜にかけての大雨で、放出量よりもダムにたまる流入量が上回り、水があふれる「越流」が起こる可能性があるという。同事務所の担当者は「先手を打ち、村などと協議の上で避難をお願いしている」と説明した。午後4時半のダム貯水率は92.3%となっている。

 村によると台風の大雨や高潮に加え、5日午後10時ごろの満潮の時間帯が重なることもあって避難を呼びかけた。同日午後4時過ぎ、大保ダムでは横なぐりの風雨と水を放流する音が共鳴し、下流域は水かさが上がっている場所もあった。照屋時康大保区長(68)は、浸水対策として必要な人に土のうを提供しているとし「区民には夜中に何かあれば区長に電話するよう伝えている」と語った。 (武井悠、池田哲平)