サトウキビ農家らの台風被害を玉城知事が視察 「業種ごとに早めの対策を検討」


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台風6号によるサトウキビの被害を視察する玉城デニー知事=7日、南城市玉城

 台風6号の被害状況を確認するため、沖縄県の玉城デニー知事は7日、糸満市と南城市の農家で被害状況を視察した。玉城知事は、補正予算の計上などによる生産支援対策について「どのような対応が取れるかについて、早急に取りまとめたい」と話した。

 玉城知事は、糸満市米須のキクとモロヘイヤ、ゴーヤー、南城市玉城のサトウキビの農家を視察した。南城市玉城の糸数土地改良区のサトウキビ畑では、同市さとうきび生産組合玉城支部の當眞正德支部長から説明を受けた。當眞支部長は「蓄えた糖分を使って新しい葉を出そうとするため、生育が鈍化する。生産コストが年々上がる中で、単位収量を上げることが唯一のコスト低減策だが、農家の努力が損なわれてしまった。キビ作をやめる農家が出ないか心配だ」と話し、台風など自然災害からの生産回復を支援するさとうきび増産基金(セーフティネット基金)事業の早期発動や補正予算による支援を求めた。

 玉城知事は、台風がUターンしてくる前の段階で農家の作物被害額が約5億5千万円に上るとして、畜産や水産関係などの被害やUターン後の被害の拡大についても調査中だと話した。「業種ごとに、できるだけ早めに対策を取るにはどうすればいいかを鋭意検討したい」と話した。

 本島北部などで冠水や崖崩れなどの被害が発生している。「8日以降、できるだけ現地視察もして引き続き被害状況を取りまとめ、早急な対策を取りたい。被災者支援について、補正予算での取り組みも含めて県としての対応をしっかり精査したい」と話した。