目取真俊さんに韓国文学賞 「沖縄が置かれた矛盾と不条理を文学に」 第7回李浩哲統一路文学賞


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目取真俊さん(2019年撮影)

 作家の目取真俊さんが韓国の国際文学賞「第7回李浩哲(イ・ホチョル)統一路文学賞」に選ばれた。賞を創設したソウル・ウンピョン区のウェブサイトで7日、発表された。沖縄からの選出は初めて。日本国内からは、第1回で受賞した在日朝鮮人作家の金石範(キム・ソクポム)さんに続き、2人目。「沖縄に対する植民地的差別と抑圧、米軍駐留問題など沖縄が置かれた権力構図の矛盾と不条理を批判し、文学的昇華を実践した」と評価された。

 この賞はウンピョン区で長年活動する作家の李浩哲さんをたたえて創設された。授賞式は9月。

 目取真さんは受賞を受けて「沖縄の文学に関心を持ち翻訳・出版していただいた韓国の研究者のおかげだ。韓国の皆さんの沖縄に対する関心が高まってくれたらありがたい」とコメントした。

 また「明・清国の冊封体制にあった時代から近代以降の日本による植民地支配、差別、敗戦後の分断と軍事支配、今も続く米軍基地の存在など、琉球・沖縄と韓国の間には多くの共通点がある」と指摘。「辺野古や高江の反基地運動の現場にも韓国から多くの皆さんが訪れている。文化・芸能の多方面で交流が進んでほしい」と期待した。
 (伊佐尚記)