台風接近中の撮影 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[319]


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ゆっくりと進み、そして戻ってくる形で沖縄地方を襲った台風6号の被害は、とても大きなものとなりました。

長時間の停電や断水、スーパーからは食べ物が消えて、車がひっくり返るほどの強風と大雨による洪水…。毎年沖縄に台風はやってきますが、改めて防災の大切さを実感しました。

この台風6号が通過する際、SNSなどに被害の状況が分かる写真や動画をアップロードする人たちがたくさんいました。

 

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台風被害の様子をSNSに載せることで、沖縄がどのような状況なのか、台風がどれだけ怖いのかを他の人たちに伝える効果があります。その一方で注意したいことが二つあります。

まず一つは、撮影に夢中になることで、事故に巻き込まれる恐れがあることです。「自分は大丈夫だろう」と危険性を軽く考えてしまうことを正常性バイアス【※1】と呼びますが、災害時の写真・動画撮影は、まさに正常性バイアスを招きやすいので注意が必要です。

 

※1 正常性バイアス … 危険が迫った時、パニックにならないよう「大丈夫」と思いこむ人間の心理が裏目に出るのが正常性バイアスです。過去には正常性バイアスで津波や火山の噴火から逃げ遅れてしまった人もいます。

 

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また、自分の部屋から外の台風の様子を撮影しアップすることで、自宅が特定されることもあります【※2】

たとえ台風の日の写真や動画で場所を特定できなくても、別の日の写真や動画、SNSの投稿などから、自分の住んでいる地域を特定されてしまうこともあります。

台風がやってくると、ソワソワし、非日常的な気分からそうした撮影をしたくなる気持ちは理解できます。

しかし、防災と同じようにしっかりと個人情報の対策を取らないと、後からトラブルに発展することがあります。台風と同じように、SNSの何気ない投稿にも気をつけましょう。

 

※2 自宅が特定されることもあります … 撮影した写真や動画に映り込んでいる何気ない情報から場所を簡単に特定できることがあります。場所当てゲーム「ジオゲッサー」は楽しく勉強になるゲームですが、写真の中のわずかな情報から場所が特定され、個人情報の流出につながる恐れがあります。関連記事についてはこちらから。

 

イラスト 小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

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