映画「シン・ちむどんどん」監督に聞く ラッパーと芸人が知事選を取材 2人の旅通し「追体験」で沖縄知る


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ラッパーのダースレイダー(右)とプチ鹿島(左)が名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前のゲートで話を聞く映画のワンシーンⒸ「シン・ちむどんどん」製作委員会

 ラッパーのダースレイダーと時事芸人のプチ鹿島が昨年9月の沖縄県知事選を取材したドキュメンタリー映画「シン・ちむどんどん」が11日から、桜坂劇場とオンライン配信で公開されている。プチ鹿島と共に監督を務めたダースレイダーは「この映画を沖縄を知るためのスタートラインにしてほしい」と話した。

 動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)の番組「ヒルカラナンデス」を配信する2人は、スピンオフとして映画「劇場版 センキョナンデス」を2月に公開した。今回はその第2弾として、沖縄県知事選を現地取材して、沖縄の政治や現状を学んでいく様子を映画にした。

 琉球新報アンケートで3候補者とも好きな番組にNHKの朝ドラ「ちむどんどん」を選んだ点について、プチ鹿島は本当に見ているかを突撃取材した。鹿島は「新聞に載っていたことをすぐに聞ける。選挙の現場はライブ感があるし、人柄がみえる」と語った。

 ダースレイダーは、SNS上に飛び交うデマや誹謗(ひぼう)中傷が気になった。名護市辺野古の新基地建設現場などで座り込みを続ける人たちの話を聞き、ラップを披露した。「日本が民主社会でないことの1番の証拠が沖縄の現状。声を上げている人を笑って安心している。差別や偏見が前提にある」と指摘した。

 前作に続きプロデューサーを務めたドキュメンタリー監督の大島新は「通常のドキュメンタリーとは異なるが、2人の旅を通して、その場の空気感も追体験できる。2人にしかできない」と語る。

 プチ鹿島は「音楽を楽しむ映画でもあると思う」とも語った。映画で発信することについて「沖縄や選挙に興味がない人にも届けたい」と呼び掛けた。

 ダースレイダーは「沖縄の人たちの感想も聞きたい。ぜひ見てほしい」と話した。

 映画は桜坂劇場で公開中。オンラインでは11日に実施されたアフタートークの模様も配信されている。配信のチケット購入は「シン・ちむどんどん」公式サイトから。(田吹遥子)