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35年前の自分に再会、涙ぐむ人も 1988年の豊年祭の映像鑑賞 沖縄・大宜味、謝名城区


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 【大宜味】大宜味村謝名城区(平良聰区長)で「共同店再開5周年企画・昭和63年(1988年)の豊年祭を鑑賞する会」というユニークな催しが7月29日、共同店前のコミュニティー広場であった。

懐かしい映像に見入る区民ら=7月29日、大宜味村の謝名城区共同店前広場

 企画者は区在住の平良祐子さん(63)と平良利律子さん(42)の2人。同区の豊年祭は明治、大正時代に沖縄芝居で活躍した玉城金三氏が指導した。初めて開催された1924年から今年で99年となり、来年は100周年の節目を迎える。ことし10月には4年ぶりの豊年祭を予定している。

 謝名城共同店は、区出身で那覇市在住の金城明美さんが請け負い、仕入れや販売員を区有志が協力して経営し、再開から5周年となる。鑑賞会は共同店再開5周年記念と豊年祭を盛り上げる意味で行われた。開催時間の夕方6時から区民らが集まり、懐かしい映像に見入り、涙ぐむ人もいた。

 宮平和美さん(65)は「30代の時初めて踊った自分と再会でき懐かしい。映像を見て、改めて伝統芸能を受け継ぐことの大切さを感じた」と話した。

 企画した祐子さんと利律子さんは「遠く那覇から通ってくださっている金城さんへの感謝を込め、地域を盛り上げるために企画した。皆に喜んでいただきうれしい」と笑顔をうかべた。

 平良区長は「鑑賞会で区民の団結が一層深まったと思う。99周年となる豊年祭をぜひ成功させたい。共同店を守ってくださる金城さんと、企画した2人に感謝したい」と述べた。
 (安里郁江通信員)