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「いま同じ状況なったらどうするか」保護者に問いかける場面も 沖尚生が親子向け沖縄戦ワークショップ


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手にろうそくを挟み、白梅学徒隊らが野戦病院で体験した明かり取りを追体験する参加者ら=14日、那覇市の県立図書館

 沖縄戦に看護要員として動員された県立第二高等女学校(白梅学徒隊)の故中山きくさん(享年94)と長年、交流を続けてきた沖縄尚学高校地域研究部は14日、那覇市の県立図書館でワークショップ「高校生と考える沖縄戦~白梅学徒隊が教えてくれたこと~」を開いた。小中学生やその保護者ら約30人が参加。生徒らは「平和は当たり前じゃない。どうしたら平和が続くのか考えてほしい」と呼びかけた。

 生徒らは、中山さんの戦争体験をまとめた絵本「白梅学徒隊きくさんの沖縄戦」を読み、中山さんの母親らが娘が戦争に行くことに反対したことを紹介。「もし今、同じような状況になったらどうするか?」などと保護者にも問いかけ、学徒らに動員を強いた戦争の背景についても考えた。

 参加者らは野戦病院で看護に当たった状況を追体験した。火をつけていないろうそくを手に挟んだり、運んだ食糧の重さに相当する9キロの水を持ち上げたりして、体験のつらさを感じていた。神森中1年の玉木健斗さんは「学徒隊の大変さを知ることができた。こういうことが起こらないよう次につなげていくことが大切だと思う」と話した。
 (中村万里子)