50人でつなぐ 日韓の絆 国交正常化50周年伝統音楽祭・横浜


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日韓国交正常化50周年を記念した音楽祭で、八重山民謡を歌う新良幸人(右)と金城弘美=21日、神奈川県のみなとみらいホール

 日韓国交正常化50周年記念「日韓伝統音楽祭50―50年目・50歳未満の50人―」が21日、神奈川県の横浜みなとみらいホールであった。日韓両国から総勢50人の音楽家が出演した。沖縄からも新良幸人、金城弘美が出演。音楽を通じて日韓両国友好の絆を再確認した。

中孝介と息の合った演奏で沸かせる元ちとせ
三線に合わせ、独特の歌声で魅了する中孝介
力強く「アリラン連歌」を歌う韓国からの出演者

 日韓それぞれ6組25人ずつの音楽家が出演。交互に歌曲や民謡を次々と披露した。男女の掛け合いが魅力といわれる八重山民謡。「真南風乙(まふぇらつぃ)」は新良の三線の音色と金城の歌声が掛け合いとなる。八重山民謡の代表曲「とぅばらーま」も男女の情愛を細やかに歌い上げた。新良が作詞し、「子守歌」を意味する「ファムレウタ」は新良1人で演奏。優しく奏でる音色と温かな歌声がホールに染み渡った。
 奄美大島出身の元(はじめ)ちとせと中(あたり)孝介の共演による島唄も沸かせた。「ヨイスラ節」は中の三線、鼓膜を震わせる高音が魅力的だった。軽快なテンポと手踊りが魅力の「渡しゃ」では、中の合いの手が元の歌声と調和する。会場からも手拍子や指笛が飛び交い、祭りのイメージを演出した。
 韓国も力強さを感じさせる韓国民謡の「アリラン連歌」や日本の琴と比べて1本弦が少ない「伽〓琴」のアンサンブルなどを披露した。
 「音楽は平和の象徴。その友好を強め、音楽でつながっていれば素敵だと感じた」(元)という言葉通り、互いの音楽を尊重するように、1曲ごとに拍手が送られた。国交正常化から半世紀の節目で、両国にとって、新たな音楽の歴史を刻んだ。(大城徹郎)

※注:〓はニンベンに「耶」