東京電力は24日午後、福島第1原発の処理水の海洋放出を始めた。震災から復興半ばでの処理水放出。県内からは環境への影響や風評被害が出ないかを不安視する声が上がっている。
県漁業協同組合連合会の上原亀一会長は「風評被害を懸念している」と県内漁業者の思いを代弁し、放出には反対の立場を示した。一方で「処理水の現状をみると仕方ない部分もあると思う」とも述べ、今後国に適切な対応するようを求めた。
東日本大震災を被災し、福島県白河市から那覇市へ避難する伊藤路子さん(75)は「もはや実害になっている」と主張。「放出の理解が得られたとは到底言えない」と政府と東電の対応を批判した。那覇市の新本勝子さん(78)も「基準値以下に薄めるといっても、放射能で汚染された水を流していることには変わりない」と指摘する。「海はつながっている。どれだけ被害が出るかは分からない」と憤った。
(小波津智也まとめ)