認知症高齢者見守りへQRシール 豊見城市が導入 行方不明時、保護の手助けに 希望世帯に無償提供


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豊見城市が導入した保護情報共有シール。QRコードを読み込むと、保護した際に必要な情報が表示される

 【豊見城】沖縄県豊見城市は、認知症の高齢者らが行方不明になった時に、保護の手助けになる保護情報共有シールを導入した。シールに印刷されたQRコードを読み取ると、登録先にメールで通知される。保護した人は、保護対象者の特徴や、注意すべきことなどを読み取れる。シールは服にアイロンで装着できるほか、かばんなどにも貼ることができる。市障がい長寿課は、希望世帯に無料提供する。

 保護情報共有シールの導入は県内の自治体で広がりを見せている。

 家族は事前に、保護時に必要な対象者のニックネームや生年月日などを入力する。「右耳が悪いので左側から話し掛けて」「先生と呼んでください」「心臓ペースメーカーを使用」など身体的特徴、コミュニケーションに関することを記載できる。

豊見城市が導入した保護情報共有用のシール。服やかばん、つえなどに張り、認知症高齢者を保護した時に読み取ってもらう

 障がい長寿課の保健師、清水えりさんは「QRコードを読んでも名前や電話番号などの個人情報は表示されないので安心だ。多くの人にシールを知ってもらい、活用してもらいたい」と話す。市は、アイロンで貼るタイプ40枚と反射するシールタイプ10枚をセットで提供。情報入力も支援する。

 18日にケアマネジャー向け研修会が開かれた。30人が参加し、実際に携帯を使ってQRコードを読み込んで使い方を確認した。シールに関する問い合わせは、電話098(856)4292(同課)。

(岩崎みどり)

保護情報共有シールの導入に当たりケアマネジャー向けに開催された研修会。午前と午後で計30人が参加した=18日、豊見城市役所