「引き算」極めたかちゅー湯 MEGURO miso soup stand(那覇市) <うちなー味まーい>85


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目黒さんの地元青森産のみそを使ったかちゅー湯と玄米を使ったこだわりの焼きおにぎり

 お湯が注がれると同時に立ち上る芳(かぐわ)しいみその香り。県産かつおぶしと熟成みそが織りなすかちゅー湯の芳醇(ほうじゅん)な味わいは、都会の喧噪(けんそう)を忘れ、つかの間の安らぎを与える。「ふぅー。染みわたるー」。一口飲むとつい口に出るのも仕方ない。

 那覇市樋川の住宅街の一角にたたずむ「MEGURO miso soup stand」は、青森県出身の目黒龍二さん(32)が2021年2月に開業したみそ汁専門店だ。看板メニューは県産かつお節を使ったみそ汁「かちゅー湯」と焼きおにぎり(塩、しょうゆ)で、素材本来の味を楽しめる。

 かちゅー湯に使用するみそは青森や神奈川、愛知県産など現在9種類。いずれも目黒さんが全国のみそ蔵を訪ねて探し当てた至玉の逸品だ。コーヒーのバリスタの顔も持つ目黒さんのこだわりは「味の引き算」。

オーナーの目黒龍二さん。店内はカフェのような雰囲気が漂う=24日、那覇市樋川

 焼きおにぎりは那覇市おもろまちにある「米八十米」で仕入れた玄米を使用。塩は与那国島産と伊豆半島産をブレンド、しょうゆ発祥地で知られる和歌山県湯浅町産のしょうゆを使う。

 開店時間は午前6時~午後2時。早朝から朝ご飯を求めに地元客や観光客がひっきりなしにのれんをくぐる。カフェのような雰囲気の中、早速、注文してみると、目の前でかつお節が削られ、鮮やかな香りが鼻腔(びくう)をくすぐる。きょうはどのみそを選ぶか。悩むのも楽しい。目黒さんは「イベント出展では、期間限定のメニューを出すほか、店舗内イベントでも全国の郷土料理を提供している」と語った。

 定休日は月曜。那覇市樋川1の30の24。(電話)098(996)5026。

 (吉田健一)