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台風で困った、準備しておけば良かったものは? 沖縄県民に聞いた「防災の日」アンケート


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
台風6号の影響で、1日から停電が続く店内に立つ祖堅吉勝さん(72)。停電で冷凍食品やアイスはダメになり、レジも使えない。「4日も続くのは記憶にない」と薄暗い店内で肩を落とした=8月4日、うるま市勝連内間(小川昌宏撮影)

 沖縄地方に接近した台風6号は、各地に停電や断水など県民生活に大きな影響をもたらしたが、その後も台風の発生が相次いでいる。11号も沖縄各地に影響をもたらすことが予想され、早めの防災対策が必要だ。琉球新報はSNSや紙面で呼び掛けアンケートを実施し、6号接近時に困ったことを尋ねたところ「停電」55.1%が最も多く、なくて困った・準備しておけば良かった物は「乾電池・モバイルバッテリー」43.8%で最多だった。

 アンケートは9月1日の「防災の日」にちなんで実施し、防災への意識などを聞いた。6号接近で困ったこと(複数回答)は「停電」のほか「風や雨の強さ」(52.6%)、「食料品の欠品」(41%)「インターネットが使えない」(29.5%)「公共交通が止まった」(12.8%)と続いた。そのほか「台風が去った後に野菜や豆腐がない」との回答もあった。

 なくて困った・準備しておけば良かった物(複数回答)は「懐中電灯」「携帯ラジオ」(29.7%)が並び、「冷却グッズ」(28.1%)、「雨がっぱなど防水防風機能のある衣服」(18.8%)、「クーラーボックス」「水タンク」(15.6%)と続いた。

 「停電」と答えた人に、どのくらいの時間停電したかを聞いたところ「24時間以内」と「72時間以内」が25%で並び、回答者の半分を占めた。「120時間以上」(2.3%)と答えた人もいた。

 台風情報をどのように入手したかを複数回答で尋ねた問いには、「インターネット」が55.7%と最多で、「テレビ」(54.4%)、「SNS」(39.2%)「天気アプリ」(同)、「ラジオ」31.6%と続いた。

 台風接近時に欲しかった情報について自由回答で聞いたところ、「給水できる場所」「スマートフォンを充電できる場所」「冠水する場所とリアルタイム情報」「事前の備え」との声が複数寄せられた。あって良かった情報として、停電や復旧状況のほか、スーパーの開店、給油所の閉店状況などが寄せられた。

 アンケートは8月21~26日の6日間、SNSのフェイスブックやX(旧ツイッター)、LINEと紙面で呼び掛け、ウェブ上で回答を得た。80人が答えた。
 (慶田城七瀬)

災害への備えは半数 地震への不安、最も多く

 

 「防災の日」にちなんで聞いた県民アンケートでは、日頃の災害への備えについても尋ねた。最も不安を感じる災害について尋ねた問いは「地震」が59.5%で最多、「津波」(19%)、「台風」(16.5%)、「洪水や浸水」(5.1%)と続いた。台風に対して不安を感じる人は少なかった。

 普段から災害への備えに取り組んでいるか聞いたところ、「はい」49.4%、「いいえ」50.6%だった。「いいえ」と回答した人に、すぐにできる災害への備えについて尋ねたところ、「水や非常食、日用品などの備蓄」が88.6%と最多で、「防災グッズの購入」(65.9%)、「避難経路の確認」(31.8%)と続いた。

 これまでの経験から「これだけは用意しておいた方が良い物やこと」についても自由記述で聞いた。電気や水への備えに対する記述が相次ぐ一方、災害時の医療機関が対応に追われて混乱することを想定して「持病があるので災害時のために予備に薬を処方してもらい保管している」(豊見城市、60代女性)との声があった。

 災害時のフリーWi―Fi開放や避難所のエアコン、空気清浄機設置など行政への要望もあり、糸満市の40代女性は「個人にできることは限界があるので災害に強い街づくりをしてほしい」と求めた。

 停電により情報が遮断されることへの懸念から携帯ラジオを上げる人も複数おり「ラジオで情報収集することを日常の一部にする」(西原町、60代男性)との声も寄せられた。


▽回答者の内訳

 アンケートは21~26日、フェイスブックやX(旧ツイッター)、LINEなどのSNSと紙面で呼び掛けた。回答者の居住市町村は那覇市(33%)、豊見城市(7.4%)、八重瀬町.宜野湾市.うるま市(6.1%)など。糸満市や読谷村、名護市などからも回答があった。
 性別は女性51.2%、男性46.3%、回答しない2.5%。年代別は40代が28.7%で最多、50代(25%)、30代(18.7%)、60代(13.7%)、20代(10%)、70代(3.7%)と続いた。