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辺野古訴訟、敗訴で知事に生じる「義務」とは 那覇で徳田教授が講演


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最高裁判決後の県の対応について講演する徳田博人琉球大教授8月31日、那覇市古島の教育福祉会館

 名護市辺野古の新基地建設に反対する沖縄平和市民連絡会は8月31日、沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡る訴訟の最高裁判決に向け、那覇市古島の教育福祉会館で緊急学習会を開いた。琉球大の徳田博人教授が講演した。

 国土交通相が不承認を取り消した「裁決」についての訴訟は8月24日に上告不受理とされ、県の敗訴が確定。国交相が県へ、承認するよう「是正の指示」を出したことを巡る訴訟は4日に最高裁判決が予定されているが、県敗訴の可能性が高いとみられる。敗訴した場合、県は(1)変更申請を承認(2)承認を拒否。国による代執行訴訟の提起(3)別の理由に基づく不承認や埋め立て承認の再撤回―の3パターンが想定される。

 徳田教授は「最高裁で敗訴した場合、県には是正の指示に従う義務が生じるが、承認しなかったからといってすぐに違法とはならない」と指摘。国が代執行訴訟を提起し判決が出るまでの間に、県は別の理由に基づく再度の設計変更不承認や埋め立て承認の再撤回に向けて、第三者委員会を設置して資料を精査し、議論を重ねるという対応ができるとした。

 知事には基地建設反対が多数となった県民投票の結果を尊重する義務があると指摘。仮に承認するのであれば、敗訴のみを理由とするのではなく「最高裁判決の中身によって、今後の沖縄の基地問題解決の道筋を見いだすことができる点を県民に説明する義務がある」と話した。
 (沖田有吾)