カミンチュが豊作豊漁を祈願 大宜味・塩屋湾のウンガミ 今帰仁・古宇利ではウンジャミ


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屋古アサギで祈願するカミンチュら=2日午後、大宜味村屋古(喜瀨守昭撮影)

 【大宜味・今帰仁】国の重要無形民俗文化財に指定されている大宜味村塩屋湾のウンガミ(海神祭)が2日、塩屋湾と周辺の集落などで執り行われた。開催予定だった御願バーリーと奉納角力は台風11号の影響で中止となり、カミンチュ(神人)の女性らによる祭事のみ行われた。

 塩屋湾のウンガミは毎年旧盆明け最初の亥の日に開かれ、400~500年間続いているといわれる。カミンチュの女性らは午前11時頃から、湾周辺の田港アサギ(祈り場)や屋古アサギを巡り、集落の豊作や豊漁、健康を祈願した。神行列で集落を巡った後、カミンチュらは兼久浜に向かい、古宇利島に向かって祈願した。

 今年は隔年のウドゥイマール(踊り年)に当たり、3日には豊年踊りも披露される予定だったが、台風の影響で中止となった。塩屋区の知念章区長は「新型コロナが落ち着き、ハーリーをぜひやりたいという思いだったが天候にはかなわなかった。次年度に向けてより一層意識を高めて文化を伝承したい」と前を向いた。

 男女の神で塩屋とつながりのある今帰仁村古宇利でも同日、ウンジャミ(海神祭)が執り行われ、地域の女性たちが塩屋に向かって祈りをささげた。午後には4年ぶりに御願バーリーも実施された。

(武井悠)