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インボイス制度への取り組みと生産性向上 法制度に対応し、業務効率化を <けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 インボイス制度のスタートが10月に迫っています。本制度については事業者の負担増といった問題も話題になりますが、本稿では制度概要と制度対応の際の生産性向上の取り組みについてお話したいと思います。

 まず、インボイス制度開始で大きく変わることは「仕入税額控除の仕組み」です。インボイスとは適格請求書を意味しますが、今後の請求書は「適格なもの」と「適格でないもの」に分けられ、適格な請求書(インボイス)でのみ仕入税額控除ができる、ということとなります。

 また「インボイスを発行できるのは、事前に発行事業者への登録を受けた事業者のみである」ということと「発行事業者側にも請求書の保存が義務化される」ということが制度のポイントとなります。

 発行事業者になるか否かについては、個別の判断が必要となりますが、対応を決めた事業者の皆さまは、デジタル化・ペーパレス化を進めるきっかけにもできるのではないかと考えています。各種書類のデジタル化・ペーパレス化によって、業務効率化・生産性向上が期待されます。

 沖縄県の労働生産性は596万円と全国平均803万円の7割程度と、相対的に低い水準にあるという課題もあります(内閣府「県民経済計算」より算出)。

 金融機関などの支援機関では、法制度に対応しながらデジタル化・ペーパレス化を進めることで経理業務の効率化や資金繰りの見える化といった、生産性向上をサポートできるよう取り組んでいます。これを機会と捉え、一度ご相談をしてみてはいかがでしょうか。

(沖縄銀行デジタル事業部調査役 安里優輝)