首里城正殿の柱、建て込み工事開始 沖縄県内の職人らも参画


この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 貞治

 復元される首里城正殿に柱を建てる工事が4日、始まった。2026年秋の正殿復元に向けて、正殿の骨組みとなる柱や梁(はり)を組み立てる工事が本格化する。12月までに513本の柱・梁が建てられ、今年中には正殿最上部の屋根部分に当たる小屋組(こやぐみ)まで組み立てを終える見込み。

首里城正殿の柱を建てる作業員ら=4日午前11時ごろ、沖縄県那覇市の首里城公園(喜瀨守昭撮影)

 現在、復元工事には約30人の宮大工が携わっており、そのうち県出身者は10人いる。県出身の宮大工はこれからさらに2~3人増える予定だ。木に関係する復元工事を担当する社寺建の山本信幸総棟梁は、今回の工事に携わる職人は若手が多いとし、「これから先の沖縄の伝統建築を地元の方で担ってもらえるよう、正殿復元を通して育ってほしい」と述べた。

 首里城正殿復元の整備工事を担当する清水・國場・大米特定建設工事共同企業体の川上広行所長は、当初の計画通りに柱の工事が開始できて安心しているとした一方で、「これから先、長丁場になる。緊張感を持って工事をやっていきたい」と正殿復元に向けて意気込んだ。

 建てられた柱は、正殿1階中央部分の御差床(うさすか)と呼ばれる国王の玉座周りに位置する。直径約40センチ、長さ約7.2メートル、重さ約500キロの奈良県産のヒノキが使われた。(與那原采恵)