復活した琉球大学ソフトボール部が、活動を活発化させている。一時は新型コロナ感染拡大により活動を制限され、その間に部員が減り廃部となった。しかし、学生の呼び掛けで2021年に再始動。ほとんどが未経験者であるにもかかわらず、今年3月に兵庫県で開催された国公立大学ソフトボールオープン大会では全国4位の好成績を収めた。再結成2年目の大躍進に、西田睦学長も「今後の活躍にも大いに期待している」と話す。一方、グラウンドや練習道具の激しい劣化で、練習に打ち込めない課題も抱えている。
21年に琉球大学ソフトボール部を再始動させたのは、現在監督兼選手を務める同大工学部3年の渡慶次憲志郎さん(20)。中高ではソフトボール部に所属していたが、高2で新型コロナ感染拡大が深刻化し、部活動はほぼ休止に。大会出場もできないまま引退した。「全力を出す機会もなく卒業した。やりきれない気持ちだった」と当時を振り返る。
進学した琉球大でも新型コロナの影響は色濃く残り、ソフトボール部は20年に廃部していた。大学では「学業に専念しよう」と考えていたが、「不完全燃焼のままでいいのか。この先後悔するんじゃないか。同じ気持ちの人はきっと他にもいるはずだ」と一念発起。翌年、仲間を集めて部を再始動させた。
現在部員は27人。そのうち経験者は3人だけ。部員の保久(ほうく)観佑さん(20)=工学部2年=は「渡慶次さんが部を復活させてくれたおかげで、学業以外にも打ち込めるものができた。とても感謝している」と笑顔で語る。
しかし、練習環境が整っていないという悩みも。部活動が制限された期間にグラウンドが荒廃し、フェンスも壊れている。照明は倒壊の危険があり、昨年全て撤去されたため日が落ちてからの練習ができない。バットもボールもボロボロで、みんなで資金を出し合い購入費に充てているが十分ではない。
渡慶次さんらは自治体や県内企業数などに支援やスポンサーを募って回っているが、苦戦している。大学も「一生懸命な姿を見ていて応援している。どうにか練習環境を整備してあげたいが、予算が全く追い付かない」(担当者)と行き詰まっている。渡慶次さんは「練習場所や道具を支援してくれる企業、個人を探している。沖縄を元気づけるような活動に発展させたい」と呼び掛けている。
支援に関する問い合わせは琉球大学生部学生支援課学生係098(895)8127。メールはgkgkari@acs.u-ryukyu.ac.jpまで。
(嘉数陽)