高級食材のセミエビ、ゾウリエビが漁業権対象種に 沖縄県が追加、禁漁期間も設定


この記事を書いた人 Avatar photo 福田 修平
漁業権対象種に追加されたセミエビ(左)とゾウリエビ(提供)

 沖縄県は1日、10年に一度の漁業権の一斉切り替えを実施し、高級食材のセミエビ類、ゾウリエビ類を対象種に追加した漁業権免許を交付した。今回の切り替えに伴い、養殖などを実施するために必要な区画漁業権の養殖方法の分類を整理した。これまでは養殖方法が細かく分類されていたため、漁業者は考案した養殖方法を自由に試すことが難しかったが、1日からは多様な養殖方法を一つの漁業権で試すことができるようになったため、漁業者への後押しとなりそうだ。

 2023年は、10年間と5年間の期限がある3種の漁業権の切り替えが重なる年で、新規の漁業権免許は138件で、全体で17件増加した。

 今回新規で取得された漁業権免許はウニやカキが多く、試験的に養殖を始める漁業者も多いという。

 また、漁業者が産業として漁獲していることから、今回からセミエビ類、ゾウリエビ類が漁業権対象種に追加された。資源回復のために、セミエビ類は禁漁期間も設けられ、4~7月中は漁獲や所持、販売が禁止される。これらの種は県水産海洋技術センターの調査で生息数の減少が確認されており、資源回復も期待されている。

 海藻類のイバラノリ、ホンダワラ、マクリなどが漁業権対象種から外れた。

 一方、県内では密漁が横行しており、18年度と比較すると2倍以上の摘発件数となっており、第11管区海上保安本部や県が警戒を強めている。

 県農林水産部の前門尚美部長は「漁業権制度などの漁業関係法令を周知し、密漁の防止や継続的な漁業の発展に努めていきたい」と述べた。

(福田修平)