辺野古地盤改良工事、8日に発注手続き開始 防衛省、最高裁判決受け


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新基地建設現場の名護市辺野古の海域。写真右側の海域は軟弱地盤の存在が明らかになっている大浦湾=2023年8月19日撮影

 名護市辺野古の新基地建設で軟弱地盤の改良工事などを追加する設計変更について、国土交通相が県へ承認するよう求めた「是正の指示」を巡る訴訟で沖縄県の敗訴が確定したことを受け、防衛省は8日に大浦湾側での地盤改良工事などの発注手続きを始める。業者を募る入札を公告する予定を沖縄防衛局が5日までに公表した。一方、県は最高裁判決を踏まえ、設計変更を承認するかどうか検討を続けている。

 玉城デニー知事が、9月後半に予定されている国連人権理事会に出席する前に態度を表明するという見方がある一方、ある県関係者は「検討の時間が短い。難しいのではないか」と否定的だ。

 一方、防衛省が大浦側の工事に着手するには、設計変更に関して県の承認が必要。最高裁判決を受けて県には承認する法的義務が生じているが、県が判断を先送りした場合、国は代執行に向けた手続きを進める構えだ。

 判決から数週間待って県が承認しない場合、まず国土交通相は承認を促す「勧告」を行う見込み。一定期間待っても県の対応がなければ、さらに承認を求める「指示」を出す。その上で県が承認しなければ、国交相が強制的に県の代わりに承認処分をする代執行訴訟を10月にも高裁に提起する計画だ。

 斉藤鉄夫国土交通相は5日の閣議後会見で、県が承認しない場合の対応を問われ「最高裁判決に沿って速やかに変更承認がなされると考えている。仮定の質問にコメントは控えたい」と述べるにとどめた。

(明真南斗、知念征尚)