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「探索と深化」で革新を 早稲田大大学院教授の入山章栄さんが講演 <琉球フォーラム>


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入山章栄さん(早稲田大大学院教授)

 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社社長)の9月例会が5日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルであり、早稲田大学大学院経営管理研究科ビジネススクールの入山章栄教授が「世界の経営学から見る中小企業経営の視座」と題して講演した。入山氏は、「知」をキーワードに新たな価値を生みイノベーションを起こす「両利きの経営」について説明し、「多くの人が来たがる沖縄で知と知が組み合わさればイノベーションが起き、中小企業が大ブレイクする可能性はある」などと語った。

 「両利きの経営」は知の探索と深化をバランスよく実現する考え方。入山氏は、既存知の深化だけに偏ると、中長期的なイノベーションは枯渇してしまうと解説。「発想力は移動距離に比例する」という言葉を紹介し、新しい知を取り入れ、失敗を受け入れる仕組みを整えて知の探索を進める重要性を指摘した。

講演に耳を傾ける琉球フォーラムの会員ら=5日、那覇市の沖縄ハーバービューホテル

 全国的に課題となる人手不足は当面続くとして「逆にダイバーシティー経営のきっかけになる。多様な知を集める意味でも、中小企業こそ進めてほしい」と提言した。
 (當山幸都)