米軍掃海艦、石垣入港は訓練後の「通常寄港」 当所の「親善」目的を取り下げる 艦長「通常から寄港できるように」


米軍掃海艦、石垣入港は訓練後の「通常寄港」 当所の「親善」目的を取り下げる 艦長「通常から寄港できるように」
この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎

 米海軍のアヴェンジャー級掃海艦「パイオニア」が7日午前9時ごろ、石垣市の石垣港に入港した。チェイス・ハーディング艦長は報道陣の取材に応じ、寄港目的について当初説明されていた「親善」ではなく「通常寄港」だとし、入港前に「掃海訓練を実施してきた」と明らかにした。県や港湾労働者の組合からの自粛要請に反して寄港を強行した格好だ。日米両政府が民間空港や港湾の軍事利用拡大を図る中、寄港の常態化が懸念される。

 石垣港への米掃海艦の入港は14年前の2009年4月以来。当時の大浜長照石垣市長、仲井真弘多知事は寄港に反対姿勢を示していた。

 今回の寄港目的は当初「親善」として市に港湾の利用を申請していたが、米軍は8月14日付で「通常寄港」に変更した。外務省によると、通常寄港には補給や整備・点検、休養が含まれる。09年に別の掃海艦が石垣港に入った際は「友好、親善、乗組員の休養」と説明していた。

 寄港に抗議する港湾関係の労働者らは6日夜から待機していたが、7日朝に市から求められて港から退去した。同午前8時半ごろから港の前に市民ら約50人が集まり「やめて」「来ないで」などと抗議の声を上げた。

 寄港して取材に応じたハーディング艦長は「できるだけ多くの場所を通常から寄港できるようにしておくという意味で石垣にも寄港した」と述べた。

 パイオニアは長崎県の米海軍佐世保基地所属。乗員は将校12人、下士官70人の計約80人で、陸上自衛隊石垣駐屯地や地元の自治体、警察らと面談した。
 (照屋大哲、明真南斗)