【東京】総務省が1977~2009年度に作成した「全国戦災史実調査報告書」に沖縄県の記載がない問題で、浦崎唯昭副知事は26日午前、同省を訪ね、沖縄戦などの県内の戦災記録を残すよう要請した。
要請書を受け取った佐伯修司総務省大臣官房審議官は「大事なことなので県と協力して記録していきたい」などと述べ、前向きな姿勢を示した。
要請書は翁長雄志知事名で高市早苗総務相宛て。同報告書は沖縄が日本に復帰した72年以降にまとめられていながら、沖縄が調査対象外となっており、国の公式な戦災記録から沖縄が抜け落ちた形となっている。
そのため要請書で「住民を巻き込んだ地上戦が行われ、苛烈(かれつ)な戦場となった沖縄の戦災に関する記録は欠かすことができない極めて重要なもの」と指摘し、戦後70年で戦争の記憶が風化しないよう記録を残して後世への継承を求めた。県は把握している戦災記録の提供などで国に協力する。
全国戦災史実調査報告書に沖縄の記述が盛り込まれていないことは8月、社民党県連の調べで判明した。