島尻氏代表の自民支部、名護の企業に祝儀 12年に3万円


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 島尻安伊子沖縄担当相が代表を務める「自民党沖縄県参議院選挙区第2支部」が2012年に名護市の建設会社に「祝儀代」名目で3万円を支出していたと政治資金収支報告書に記載していたことが27日、分かった。公選法では選挙区内で政治家の氏名が類推されるような方法での寄付を禁止している。政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信教授は「政党支部からの祝儀といえども政治家が類推できると言え、違法行為に当たる可能性がある」とした。

 違法な寄付行為の公訴を提起できる期限は3年。収支報告書によると、同社への支出は12年7月27日と記載されており公訴時効は過ぎている。同支部は本紙の取材に「政党支部から適正に支出しており公選法上何ら問題はないと承知している」と説明した。
 島尻氏が代表を務める政治団体と同支部の収支報告書をめぐっては、同氏が沖縄北方担当相に就任した10月7日直後の9日にも事務所費などの金額を減額訂正していた。直近では13年の収支報告書に県内の会社2社に「陣中見舞い」名目で約8万3千円を支出していたが、20日付で削除した。
 岩井教授は「政党支部からの祝儀代は問題ないと思われているが、これを認めると地域の行事などにも祝儀を出すことができるようになる。公選法は金のかからない政治を実現する側面もある。もう一度法の趣旨を考えてほしい」と話した。