【ブラジル】日伯外交樹立120年 玉城流扇寿会が公演


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 日本・ブラジル外交関係樹立120周年を記念し、玉城流扇寿会と一般社団法人ステージサポート沖縄は11月15日、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会大講堂で琉球舞踊公演を開催した。

文化庁の国際芸術交流支援事業の助成を受けた。扇寿会を中心に13人の踊り手と、琉球古典音楽安冨祖流絃聲会などの地謡4人、スタッフら総勢22人が沖縄から訪れた。
 地元から扇寿会ブラジル支部の斉藤悟主宰と門下生4人も出演。ブラジルのウチナーンチュに誇りを感じさせてくれた公演だった。
 「久高島のノロの御願」で幕を開けた。薄明かりの中でノロの真栄田苗さんによる舞台清めの御願が始まると、観客は「神の島・祈りの島」沖縄へと誘われた。続く「長者の大主」で琉球王国時代の古典舞踊や村人たちの「稲しり」が披露され、「唄と踊りの島」へと引き込まれていった。
 谷田嘉子、金城美枝子両家元は「加那ヨー天川」「す玉貫玉」を踊った。「す玉貫玉」には幼いころシシダマ(イネ科の植物ジュズダマ)で遊んだ記憶を呼び起こされた高齢者も多かったに違いない。
 斉藤さんと沖縄側の出演者金城真次さんは17年前、サンパウロで共演が実現した経緯がある。今回、それぞれ沖縄とブラジルで活躍する2人の踊りに一段と大きな拍手が鳴り響いた。斉藤道場の門下生は「上り口説」「日傘踊り」を踊り、「ブラジルの若い踊り手が成長している」と評価された。
 最後の演目「唄遊び」で毛遊びからカチャーシーへ移ると観客は総立ちになった。(与那嶺恵子通信員)