辺野古受注2社も寄付 衆院選前、5議員に計110万円


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設関連工事を受注した県内の建設業者が、2014年の衆院選直前に候補者が代表を務める政党支部に寄付していた問題で、沖電工(那覇市)と鏡原組(同)も同様に選挙直前に寄付していたことが7日までに分かった。

 県選挙管理委員会公開の14年分の政治資金収支報告書と、防衛省が笠井亮衆院議員(共産)に提出した資料などから明らかになった。
 沖電工は、14年10月に米軍キャンプ・シュワブの厚生施設新設電気工事を約4億300万円で落札し、11月18日に沖縄防衛局と契約した。その後、衆院選公示後の同年12月9日と10日、自民党の国場幸之助、宮崎政久、比嘉奈津美、西銘恒三郎の4氏が代表を務める政党支部に対し、それぞれ20万~30万円の合計100万円を寄付した。沖電工は取材に「回答できない」とした。
 西銘氏の事務所は「何十年も付き合いがあり、特別に選挙に絡む寄付ではないと認識している。違法性はないが、誤解を受けてはいけないので(7日)午前中に返金した」と答えた。また選挙後に共同企業体(JV)を組んで関連工事を落札した別の業者にも寄付を返金したという。
 宮崎氏の事務所は、寄付を受けた時点で国と契約を結ぶ特定企業とは認識していなかったとして「違法性がないのは確認しているが、誤解を受ける可能性があるため返金手続きを進めている」と回答した。他に同様の寄付がないかについては精査しているという。
 鏡原組は14年5月にキャンプ・シュワブ内の既設建物解体工事を約4700万円で契約した後、同年12月4日に下地幹郎氏(おおさか維新の会)が代表を務める支部に10万円を寄付した。鏡原組は「違法性の認識はなく、日ごろの付き合いで寄付した。誤解を受けるといけないので返却を求めることを検討する」と答えた。
 本紙は国場氏、比嘉氏、下地氏の事務所にも7日午後に文書で質問を送ったが、同日中に回答はなかった。
 公職選挙法は国と契約した業者の国政選挙に関する寄付を禁じ、受け手側も規制している。今回の寄付は同法に抵触する可能性がある。(沖田有吾、梅田正覚)