ナイスステップな研究者 琉大・栗原助教を選出 海洋酸性化研究で評価


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   栗原晴子氏

 琉球大学理学部海洋自然科学科助教の栗原晴子さん(40)が10日、科学技術・学術政策研究所が科学技術イノベーションに貢献した研究者に贈る「ナイスステップな研究者」の11人に選ばれた。琉大からの選出は初めて。栗原さんは、海洋の酸性化がサンゴなどの生物に与える影響などを研究している。

 栗原さんは受賞について「とても驚くと同時に非常にうれしく思う。今後も研究を重ね、沖縄のサンゴ保全について考えていきたい」と述べた。
 同賞は2005年から実施しており、科学技術・学術政策研究所の約2千人の専門家ネットワークへの調査などを通して選ぶ。14年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩さん(09年選出)や12年にノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥さん(06年選出)も受賞した。
 栗原さんは、地球温暖化によって進む海洋の酸性化がサンゴ類やウニや貝類などの石灰化生物の成長にネガティブな影響を与えることを研究室で実験的に示した。これで世界で初めて海洋の酸性化が直接、海産動物に影響を及ぼすことが示された。