認知症、地域で見守り 徘徊対応、訓練で学ぶ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
行方不明者捜索後、地域でできる取り組みについて議論する昆布区民ら=12日、うるま市の昆布公民館

 【うるま】うるま市は昆布区で12日、認知症の人が行方不明になったと想定し警察、地域の人々と連携した捜索模擬訓練を実施した。地域の人らは「勉強になった」「声を掛けるのが難しかった」などと話し、地域全体で対応する方法について理解を深めた。

 捜索は67歳の男性が早朝の散歩に出て行方不明になったと想定し、特徴を区内放送で周知した。その後地域の人が捜索し、発見・保護するまでの流れを確認した。
 自宅で畑仕事中に放送を聞き、徘徊(はいかい)役の人に声を掛けた東江照繁さん(73)は「それらしき人を見掛けて名前を聞いても答えられず、本人確認が難しい。衣類に名前と住所を書くと分かるかもしれない」と話した。
 大城マサ子さん(79)は「『安慶名に帰る』と言い張る行方不明者を公民館に行こうと説得するのが大変だった」と話した。川崎小5年の名嘉真彩月さん(11)、真栄田凜奈さん(10)も参加。「迷子の人がいたら周りの大人にも協力してもらう」と話した。
 訓練後、報告会と勉強会があり、地域の人らは「地域で近所の人が認知症の人や家族の様子を見て優しい声掛けをしてもらえたらいい」などと講義を受けた。
 北中城若松病院認知症疾患医療センターの大久保千賀子さんは「今回は模擬訓練があると、あえて周知していない中、多くの住民が参加してくれてうれしい。読谷の人がうるまで見つかることもある」と話した。