素通り観光 脱却へ 周遊バスを実証運行 やんばる3市町村


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本部町の海をイメージしたデザインでやんばる路を走る「やんばる周遊バス実証事業」活用車両=17日、名護市の北部観光バス

 【北部】素通り観光から着地型への成長を目標に掲げた新事業をやんばる観光推進協議会(川添博明会長)が始める。名護市―今帰仁村―本部町を結ぶルートで周遊有料バスを運行させる事業。北部のホテルで宿泊した観光客を主なターゲットにしており、周遊バスで観光名所など計19カ所に立ち寄りながら本部半島をぐるりと回る。やんばるを楽しんでもらい、宿泊数拡大、顧客開拓などを目指していく。

 県の戦略的課題解決型観光商品等支援事業を活用した。「やんばるを遊び尽くそう」をテーマにし、19日から有料実証運行を始める。来年1月17日まで、ホテルゆがふいんおきなわ(名護市)を起点に、毎日東回り、西回りをそれぞれ4便運行させる。バス4台(25人乗り)は沖縄美ら島財団(本部町)と連携し、車体に本部町の海をイメージし新たにデザインした。
 始発はオキナワマリオットリゾート&スパ(名護市)。恩納村内のホテルの観光客も取り込みたい意向だ。国天然記念物のひんぷんガジュマル(同市)も停車地点になっており、そこでは名護市観光協会と協力しながら「まちなか散策」も受け付ける。街中への観光客の呼び込みを図る。
 周遊バスの乗車券は2日間どの停車地点でも乗り降りできるパスポートとなっており、各地点で商品が割安となるお得なクーポンが付いている。中学生以上は一人千円(税込み)。小学生以下は無料。パスポートは宿泊予約サイト「じゃらんnet」でホテルとのセットで販売している。
 実証運行を通して客のニーズを把握し、数年での通常運行を模索していく。川添会長は「やんばる観光が自立していくための実証運行となる。好きな場所で自由にやんばるを満喫してほしい。将来は推進協議会と北部観光バスが連携する形で運行したい」と展望している。