義務教育支援終了へ 県「対象者が減少」 17年度めど


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 県教育庁は戦中・戦後の混乱期に義務教育を修了できなかった人を支援する事業を、2017年度をめどに終了する方向で調整していることが25日、分かった。11年度から開始した同事業は13年度で終了する予定だったが、希望者が続いたことから単年で延長してきた。本年度で単年度の延長も終える予定だったが、ことし入学した生徒が卒業予定の年度まで延長する方向だ。県教育庁の担当者は「対象者が減ってきている。当初は3年間の事業だった。無限に延長することはできない」とし、今後の施策については「必要に応じて対応したい」と話した。

 事業の委託を受けているのは珊瑚舎スコーレ(星野人史代表)とエンカレッジ(坂晴紀理事長)、三和人材育成会(金城佳隆理事長)の3団体。事業は1932年~41年生まれの人を対象にしている。
 珊瑚舎スコーレの星野代表は「珊瑚舎は生徒がいる限り続ける。一緒に学ぶ場をつくるために県に働き掛けたい。事業は終わったら駄目だと思う」と指摘した。
 エンカレッジの坂理事長は「終了後は高齢者の学び直しなど新しい支援の形を考え、県に提案したい」と語った。
 三和人材育成会の金城理事長は「素晴らしい事業だった」と事業を評価した。3年計画で取り組んでいる同会は、3年目を迎える本年度で活動を終える。
 終了後の対応について別の県教育庁の担当者は、「国が検討しているフリースクールや夜間中学校設置の動向を見ながら検討したい」と話した。(安富智希)