三線と空手、来沖修業 ブラジル県系3世・神谷さん


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琉球民謡、空手の普及に励むブラジル県系3世の神谷ラファエル清市さん=うるま市

 ことしはリオ五輪が開催されるなど注目を集めるブラジル。沖縄からの移民の歴史は100年余に及び、双方は固い絆で結ばれている。このほど来沖した県系3世の神谷ラファエル清市さん(31)=サンパウロ市=は、琉球民謡協会ブラジル支部長として沖縄音楽の普及に努める。頻繁に来沖し、空手や棒術の習得にも励む神谷さんは「沖縄の伝統文化をブラジルにしっかりと広めたい」と夢を抱く。

 神谷さんの祖父は八重瀬町小城の出身。おじ、いとこなど多くの親類が沖縄に暮らす。昨年12月に約1カ月沖縄に滞在した。
 三線を始めたのは12歳のころ。ブラジルに暮らす1世のおじの演奏姿に憧れた。2007年に初来沖して以来、ブラジルと沖縄の双方で技を磨いてきた。15年に琉球民謡協会の師範になった。12月は沖縄音楽を扱ったテレビ特別番組の収録にも臨んだ。三線と同時期に空手にも取り組み、今回の沖縄滞在中は空手道場に通い、有段の腕前に一層磨きをかけた。
 ことしは第6回世界のウチナーンチュ大会も開催され、ブラジルからも多くの県系人が来沖する。「沖縄には親類や友人も多いし、毎回故郷に帰る気持ちになる。いちゃりばちょーでーの精神と共に三線や空手の伝統文化について、ブラジルの県系人の子どもたちにもしっかりと引き継ぎたい」と誓った。(島袋貞治)