西原、男子快勝 女子は惜敗 春高バレー開幕


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1回戦 西原―一関修紅 センターから攻撃する西原の金子修大(中央)=5日、東京体育館(石井恭子撮影)

 バレーボールの全日本高校選手権は5日、東京体育館で開幕して1回戦が行われた。男子西原は一関修紅(岩手)を2―0で下し、初戦突破。女子西原は古川学園(宮城)に1―2で敗れた。

男子は2大会ぶりの優勝を狙う星城(愛知)のほか、創造学園(長野)、開智(和歌山)などが2回戦に進出。女子は東九州龍谷(大分)や下北沢成徳(東京)などの有力校が勝ち上がった。星城は佐賀商を下し、創造学園は埼玉栄に、開智は延岡工(宮崎)に勝った。203センチの注目株、鈴木を擁する雄物川(秋田)は市尼崎(兵庫)に敗れた。東九州龍谷は聖カタリナ女(愛媛)を、下北沢成徳は高松商(香川)を下した。6日は2回戦が実施され、昨年の全国高校総体と国体との3冠を狙う女子の九州文化学園(長崎)などが登場する。大会は男女各52校が参加。準々決勝まで3セット制、準決勝と決勝は5セット制で争う。

◆男子/攻撃多彩「まだ通過点」
 西原男子が初戦を突破した。春高バレー独特の緊張感の中、第1セットは25―23と苦戦した。立て直して臨んだ第2セット、2年の金子修大と金城夢己のセンターからのクイックや時間差攻撃が機能した。山田隆太もサイドからのスパイクを決めた。多彩な攻撃を見せたが、主将の仲本賢優は「まだ通過点」と気を引き締める。
 第1セットは相手のクイック攻撃にブロックが遅れたが、1枚でも止めに行こうと臨んだ第2セットで流れをつかむ。得意のレシーブが不調で攻撃面でも乗り切れなかったエースの仲本だったが、相手のブロックを引き付け、金子や金城の攻撃を演出した。2度目の春高で初のスタメン入りを果たした金子はこの日の活躍に甘んじず、「あす以降、高さとコースをもっと意識していく」と前を向いた。
 この日、巧みなトス回しで攻撃を支えた3年のセッター宮平佳明と交代し、終盤で2年のセッター宮城大雅も出場した。初の春高コートは「回りが大きいので、小さく見えた」。2年生の厚い選手層が「(4強から立つことのできる)センターコートに行きたい」という3年の仲本と宮平を支える。6日、16強入りを懸けて東洋(東京)を迎え撃つ。目指すはその先の8強だ。(石井恭子)

◆女子/2年・山内の成長が収穫
 一度途切れた流れは戻らなかった。第1セットを落とした強豪・古川学園(宮城)が第2セット、高身長からの速いフェイントで西原女子をかき乱した。西原はサーブやレシーブも崩れ、動きのある攻撃を封じられて、単調な攻めに陥った。3年ぶり、チーム初出場となった春高への挑戦は早く終わったが、2年の山内萌が台頭する大きな収穫も得た。吉浜絢子主将は涙しつつ「どこにも負けない信頼できる仲間、とても幸せだった」と仲間に感謝した。
 第1セット、左右からスパイクを連発するエース・長濱和や我那覇夏美が後衛に下がっても、山内が力強い得点力を発揮した。姉の美咲はU23日本代表の主将を務める。163センチと小柄ながら力強いスパイクが古川の高いブロックを割った。「タイミングをつかめば行ける」。一方、中盤以降は「ミスしたら怖い」と失速、課題も残した。次のエース候補はこの日を忘れず「先輩に支えられてここまで来た。来年は私が全部決めるくらいの気持ちでやる」と誓った。
 両サイドからのスパイク、バックアタックと果敢に攻めてブロックを散らした長濱は、勝負師らしく「高さにやられたが、フェイントはほとんど取れるボールだった」と悔しがる。「もっと(コートに)長く立ちたかった」という夢舞台。3年生の思いはこの日、山内ら後輩に確実に手渡された。(石井恭子)