15年県内倒産減68件 過去2番目の低水準


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 東京商工リサーチ沖縄支店は6日、2015年県内企業倒産状況(負債総額1千万円以上)を発表し、昨年1年間の倒産件数は前年比10件減の68件、負債総額は2・7%増の103億8700万円だった。統計を開始した1975年以降で件数は2番目、負債総額は3番目の低さだった。観光や建設関連の受注が好調なことに加え、金融機関が柔軟な貸し出し姿勢を維持していることを反映し、前年同様に件数、負債総額ともに低水準で推移した。

 同日に発表された15年12月の倒産件数は前年同月比2件減の6件、負債総額は14・0%増の9億1900万円だった。単月の倒産件数が1桁台なのは14カ月連続となった。
 年間の倒産件数を業種別に見ると、建設業が20件と最も多く、全体の29・4%を占めた。ただ、前年より2件少なく、建設業の倒産としては過去最少。倒産件数を押し上げていた建設業の低水準化は総数を引き下げる一因となっている。サービス業の15件(22・1%)、小売業の8件(11・8%)が続いた。
 倒産の主な要因は「販売不振」が24件、「既往のしわ寄せ」17件、「放漫経営」11件などだった。販売不振と既往のしわ寄せ、売掛金回収難を合わせた「不況型倒産」は計42件で全体の61・8%を占めた。
 倒産のうち、破産や特別清算などの法的倒産は57件。従業員規模別では「5人未満」が42件(61・8%)と最も多かった。
 同支店は今後の見通しについて「貸出金利の低下傾向から中小企業の資金繰り環境は比較的安定し、年度末にかけても倒産件数は1桁台の落ち着いた推移が続く」と分析した。