琉球海運、台湾でトレーラー運行 シームレス物流実現


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 台湾への貨物航路を運航する琉球海運(那覇市、山城博美社長)が、日本のナンバープレートを付けたトレーラーで現地を走行できる許可を台湾当局から得られる見通しとなり、4月にも台湾へのトレーラー輸送のサービスを開始する方向で調整を進める。港でコンテナの積み替えをせず納入先まで荷物を運ぶ「シームレス(継ぎ目なし)物流」が可能となり、輸送の費用や時間を圧縮できるほか荷物の損傷リスクも低減する。琉球海運は「日本と台湾の物流形態が大きく変わる」と期待する。

 琉球海運は博多港から鹿児島―那覇―宮古―石垣を経由し、台湾南部の都市・高雄港までを結ぶ航路を運航。トレーラーごと貨物船に載せて輸送ができるRORO船「みやらび2」を就航させている。
 だが、RORO船でトレーラーごと運ぶシームレス物流は国内では主流となるものの、日本ナンバーの車両を外国で走らせることは法律上の規制が大きいことから、外国航路での活用はほとんどない。荷主が現地政府に個別に許可を得た場合などに限られる。琉球海運の台湾航路でも、国内でトレーラーからコンテナに貨物を載せ替え、港でRORO船にコンテナを積み降ろしする必要が生じる。
 琉球海運は台湾でも日本ナンバーのトレーラーを走らせられるよう、2年前から台湾当局と交渉を進めていた。
 このほど台湾側から「期間2年で、3カ月ごとの更新」という内容で仮ナンバー交付について内諾を得たという。輸送条件の詳細を詰めた上で、台湾でのトレーラーの運行許可を正式に申請する。
 高崎裕外航課長は「コンテナ機材に積むのが難しい木材などの長尺貨物を運べないなどがあった。台湾航路でトレーラー輸送が可能となることで、貨物に合わせてトレーラーかコンテナか機材を選択する幅が広がる」と台湾への輸出拡大につながる見方を示した。
(与那嶺松一郎)