事前会合は平行線 日台漁業協定 3月、台湾で最終協議


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 台湾との日台漁業取り決め(協定)に伴い、2016年度のクロマグロ漁期(4~7月期)の操業ルール策定に向けた事前協議が29日、那覇市内で開かれた。会合は非公開。日本側は漁船間隔4カイリ(約7・4キロ)での操業を求めたが、「(台湾側の)操業隻数が減少する」ことを理由に、台湾側は難色を示し協議は平行線をたどった。その他、今期ルール下での操業実績評価や委員会で協議するルール案などを協議した。

日台漁業協定に伴う、2016年度以降の操業ルール策定に向け、協議する日本側(右)と台湾側担当者=29日午後2時ごろ、那覇市内

 今回の会合は、3月に台湾開催の最終的な当局者間協議「日台漁業委員会」に向けた事前協議。双方の意見や要望を出し、3月の会合に備える。
 日本側は、引き続き漁船間隔4カイリ(約7・4キロ)での操業と八重山下方にある三角水域の拡大などを要求した。一方、台湾側は漁具が漂流した際の回収方法や連絡体制、緩衝水域(バッファーゾーン)の設置などを求めた。
 県漁業協同組合連合会の上原亀一会長は、会合後「互いの意見を出せた点で、良い会合だった」と一定度評価。3月の日台漁業委員会に向け「互いに納得できる結果が出せるよう努める」と台湾側への期待を示した。