子の貧困対策に重点 来年度県予算案7542億円


社会
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 県は4日までに2016年度一般会計当初予算案を前年度比77億円増(1・0%増)で過去最高の7542億円とする方針を決めた。県税などの歳入増加で総額が増えた。新年度予算案は8日の庁議で決定し、16日開会予定の県議会2月定例会に提出する。経済的に困窮状態にあるひとり親世帯などの医療費助成の関連事業で3億6200万円を計上するなど子どもの貧困対策に力を入れる。

 受診料がひとり親世帯の口座に自動的に振り込まれる「自動償還払い」の導入を後押しするため、県は実施主体の市町村のシステム改修に上限範囲内で全額補助する。内閣府の「沖縄子どもの貧困緊急対策事業」関連では4400万円が盛り込まれ、県は市町村が配置する支援員の研修や子どもの居場所づくり事業の成果を評価する。
 県が県内5カ所で実施している無料塾を8カ所に拡充する「子育て総合支援モデル事業」には1億5500万円を措置する。対象児童を小学校高学年から小学校低学年まで引き下げる。
 新規事業として本島住民に各離島へ足を運んでもらう離島観光交流促進事業に1億8180万円、本島から離島への食料など日用品の輸送の補助事業に1億1864万円を計上する。
 大型MICE(企業の報奨旅行や国際会議、見本市など)施設の受け入れ環境整備には80億円、航空機整備事業に21億円、新石垣空港の国際線ターミナルビル整備事業へ13億7728万円を措置する。
 高校生への奨学のための給付金は13億7920万円を計上し、県外へ進学する大学生への給付型奨学金や小学校の少人数学級の拡大方針も盛り込んだ。
 アジア経済戦略構想の調査費用は1600万円を充てる。性暴力被害者ワンストップ支援センターの整備事業に1798万円、本島周辺でのジュゴンの実態調査費用に1050万円を措置する。15年度補正予算案は68億2996万円を計上する。深刻な子どもの貧困に対応するための基金創設に向け30億円も盛り込む。